疾患の原因、特に遺伝子という誰もに共通した設計図の中に原因見出すことで、その診断法や治療法を作り出すことができます。ゲノム医科学は、遺伝学と疾患を扱う医学、さらにはそれを研究へと展開する生命科学を融合した領域となります。これを学ぶことで、疾患の原因を学び、どのような診断法や治療法が確立できるかを一緒に考えていくことが本講義の一つ目のねらいとなります。また、ゲノム医科学を対象とする研究は、私たちの体内で起こっていることを実証する実験的な限界や、難病の治療法を開発する技術的な限界にしばしば遭遇します。このような限界を克服するために、最近進捗の目覚ましいゲノム編集技術があります。本講座のもう一つのねらいは、ゲノム編集技術を理解するための細胞生物学と生化学の基礎知識を再確認し、それら知識を応用し、ゲノム編集技術や医療への応用例を理解する。さらにはより実践的な知識を習得することを狙いとします。